2018年1月18日木曜日

自作電子負荷

 電子負荷の回路を作りました。
ノートを探すと 2016 年 9 月 20 日に「電子負荷」という言葉がはじめて出てきます。それから作ってみたかったものです。マルツ氏の ここ を見つけたのが始まりで気が付く範囲で記事探したり。

まだ仮組状態ですし現在の動作とは異なりますがデモ。
MOSFET 2SK3628 の温度が上昇し、75℃ を越えたら電流を吸うのを中断します。



ひたすら電気を食うだけです。回路はだいたいこういう感じです。

主要部分
 さしあたり定電流モードで動くようにしました。
オペアンプの電源見直したい。


基準電圧
DAC MCP4726 を使います。抵抗分圧で 10 分の 1 にしてて可哀そうな子。

表示
 電流の表示は精度低くても良いので、この箱(いずれ箱にする)一台で済むように作ろうと決めました。使ったのは AQM1248 というグラフィック LCD。

操作
 基準電圧がマイコン制御になったのでポテンショメータよりもロータリエンコーダが最適だと思った。

空冷ファン
 大電流で MOSFET が高熱になるのでヒートシンクを付けます。これには Pentium III に使われていた CPU クーラーを流用。三線式でパルス出力だけがついています。マイコンの PWM シグナルを LPF して疑似直流電圧にしてトランジスタに送ります。MOSFET には温度測定 IC LM61 を瞬間接着剤で貼り付けました。LM35 が 0mV +10mV/℃ なのに対しこの IC は 600mV の DC オフセットがありますので、負電源無しに 0℃ 以下も測定出来て便利、と見て購入しましたがあったかいところに使ってて無意味ですね。
 2SK3628 のパッケージの LM61 のパッケージを伝わってようやく温度を得るという長くて遅い伝播ですが、絶対定格がパッケージ 150℃ ですので表面温度測って 75℃ くらいで何か対策すれば間に合うかなぁと。

ボタン
 ボタン付けると野暮ったくなるのですがまぁ三つくらいなら良いんじゃないかなと。
LCD バックライト LED のオン / オフ、ファン コントロールの自動 / フル、それから指定電流値のゼロリセットの 3 つ。これもまだ詰めて考えてないので減って増えて 4 つかな~と想定してます。


実験
 この回路を使って、AC アダプタがどういう挙動をするのかを見てみました。これは以前からとても興味があったことなので楽しかったですし実力を知っていれば目的に応じて使い分ける事ができます。
MOSFET が本気で熱を出しても大丈夫なヒートシンクがその時点では見つからなかったこと、基準電圧の用意がなかなかうまくできなかったこと、そして電子負荷というモノの必要性が薄い事+実力的にも足りないところが多く、欲しいものではあったのですがタイミングが合わなかったというか、作らない言い訳はいくらでもできるというか。

詳細な記録はあまり意味がないので出しませんが、スマフオ用の 1.0A と表記されているものは 1.0A を超えるとフの字下降(てか 800mA くらいで電圧どんどん下がる)。これまたスマフオ用の 1.35A とあるアダプタは 1A では電圧あまり下がらず良い子でした。3.15A と表記されているノート PC 用アダプタは 4A まで出てフの字、モバイルブースターは自動復帰型(電圧下がりまくり)、簡易電源君1号はトランスが弱い子なのであまり電圧を維持できなかったり、LM317 を使っているため OHP 機能ですぐに電流が下がる。ATX 電源には勝てず >> 回路の不備を直して勝ちました。

部品
 ラジアルリード付きの積層セラミックコンデンサ 0.1μF は 500 個入りのこれ。死ぬまでに使い切れるかチャレンジ。あとは メタルクラッド抵抗 0.1Ω / 10W 。この人すごくカッコよい。ステキ。1Ω だとあんまり電流が吸えなくて買い直しました。普通に考えて素直に最初から 0.1Ω 一択の気がします。



箱詰め
ある程度この回路はちゃんと動作するな、という確信が持ててきました。なので箱詰めといきたいところですが、遠くからロータリエンコーダのプッシュ式のが届くのを待っていますのでもうちょっと先になりそうです。
 これからの電気趣味は、回路の理解が少し進んだご褒美として、良い感じの箱(アルミケース)に詰めて残そうと考えています。このブログ書くのと似たような意味があります。回路できた~でも良いんですけど、あともう少し時間をかければその分なにかが得られるはずと信じています。
電源用の MB-5 と電子負荷を同じケースにして二段に重ねると楽しそうかなと思ったのですがあえてコンパクトな MB-3 にしました。熱量はすごいですが使う時間が長くないので無駄に大きく場所をとるのもどうかと思って。ファンついてますし。簡易過熱保護付けましたし。
可能な範囲で最小構成にしたいので Arduino nano 互換機は pro mini 互換機に置き換えます。端子がおかしなことになっているので組み込み用を想定してますよねこの子。

 今のところ回路にスイッチがついてないのが気になります。現時点ではオペアンプだけは乾電池 6V で駆動させているためスイッチ替わりになっていますが将来これは追加の電源 IC が必要になります。 >> これのせいで吸える最大電流が小さかった…

 残すのであればオペアンプはいいのに変えたい。実験用に正体不明の安いオペアンプ使ってるのですが、単電源で 0V 付近の成績が手持ちの中で優秀なだけに悩みます。
オペアンプの負電源を検証しないと。そして負電源を用意するのならもうちょっとちゃんとしたオペアンプを使いたい。ちょっと前にオペアンプの実験 をしていて、両電源の大事さを垣間見たのですがここでもその効果が出てくれるといいなぁ。

部品待ちでブレッドボードも崩せずにやきもき。
アルミの加工、上手くできると良いなぁ。


<180119>
 オシロがないのでエルテースパイスで申し訳程度にみてみたら発振しているっぽかったのでオペアンプ出力のキャパシタは抵抗よりあとに(より MOSFET に近く)したほうがよさそうです。
抵抗も op 出力が 100R、負入力側が 1k といった感じがよさそう。あと、なんぜ 5A 以上吸えないのかわかりました。電池をオペアンプの電源にしているせいでした。今思うとファンをつないでいる簡易電源の 12V につながない理由が謎(実験中は電池をスイッチ替わりにしていた)。

これにて ATX 電源 +12V 18A の口から 20A 吸ってプツンと落とすことができました。勝った。

その実験を何度かしてみて、ある時を境に電流を吸えなくなってしまいました。MOSFET を壊したと思いました。12*20 がどのくらい強い力なのかがこの人には分からないようです(導線が溶断していた)


<180121>
 必要以上に回さないという考えを取り入れてファンの動作を変更。ヒートシンクに冷却能力がある程度あるっぽいので、常時可変するのでなく
・60℃ 以上になったら
 →スイッチフラグ立てる
・温度変化でファン速度可変
・40℃ 以下に冷えたら
 →スイッチフラグ寝かす
 →ファンをオフ
と動作するように。それでもなお 80℃ を越えたら回路を遮断という事に。
てかそれならファンの可変必要ないような… んー判断ができない


<180124>
 2日くらい前からだっけか、日本中で雪がすごいの。日本の物流は滞っている。部品はそりゃ届かないわね。これはまぁこちらの作業順序の問題なので、部品が手元にあってもケース内の配置をどうしようかとこれから考える。三月中に作り終えられるのかなぁコレ。ブレッドボードも空かずにそのままですかー…もうちょっと要領よくやりたい。

 今日やった実験は発振のチェック。ESP32 をオシロ代わりに発振を見ようと安直に、Serial に analogRead 値を吐き続けさせる(こう…いつも作業が複合的なんだよなぁ… ESP32 の環境が崩れたので手入れしてて、その流れで手を付け始めた)。
そしてやはり波形がめちゃくちゃになっているのを確認した。電流値はアナログメータでも見られるようにしているのだけど、震えが見えたり見えなかったりまばら。これは何なのか。オペアンプのそれらしいところにコンデンサをズボズボしてみても変化が見られない。DAC の出力を疑ってみた。多分これだった。非反転入力(DAC 出力)にビッグなパスコンつけてみたら荒れがおさまり直線的な波形になった。ノイジィなのかな。電子負荷といえば、な「負帰還と容量性負荷による発振が…」という論点じゃないのがその場しのぎ感あっておそらくまた後日同じような事に時間使いそうな気はする(◞‸◟)

バラック組みなのでパワーグランドなところをはんだ付けして追い実験したいところだけれど、ケースに組み込もうとした時にやり直しが発生したらやだなぁ、汚くなるのいや~んだなぁ、と思うとためらってしまうの。組めばいいのにね。


<180127>
 LCD のサイズが MB-3 に対してあまりにも小さすぎる事が気になって仕方なくなってきた。このグラフィック LCD はこれから作ろうとしている、ちっちゃい定電流源に使ったほうがよい、きっと。んー、電流の表示だけは大きくハッキリと 7 セグがよいような気もするなぁ。で、一回ワットだの温度だの表示させてしまったので、それが見えなくなるのは激しい(当社比)苦痛を感じるので、そうなるとその他の情報をキャラクタ LCD 1602 にでも表示… 表示器を二つもつけたらごてごてしいよなぁ。箱を小さくするというのも考え物だなぁ。やっぱり MB-5 を使って LCD には 1602 でなく 2004 をだな… いやなんで外装に一番コストが… 使用頻度が…
この脳内会議でグダグダしてる時間、無益だけどすごく楽しいからダメ。ぜんぜん作れない(×× )


<180204>
 電気ひよこ組なので安全についてピヨピヨ考えている。
例えば電気も水道もオン側は重力と反対方向がよいとか、電流を取り出す量が変化しない回路において過電流遮断が機能したのならラッチが妥当だとか、位置エネルギーを上げたものはそのエネルギーを受ける(もしくはもたらす)可能性を持っているとか、そういう基本的な事だけども。でも安全の定義があやふやなので、必然的に安全を考えても暖簾に腕押しな感じはある。けど一応考える。自己満足や宗教を安全と呼べるのか。

 電子負荷は引っ張り出す装置と考えたほうが良いと考えた。考えたというより体感した。流し込み素子 p-ch MOSFET でやろうとしていたのだけど Vs(出口) - Vg(蛇口) が 0V に近くなるほど通電しやすくなる性質を持つ。言葉を換えるとネガティブ系の素子は蛇口の電圧を上げ、腕力で流れをせき止める部品なのでこれは意図せず電源が切れたときに素子が導線になる可能性があるということで危なっかしい。n-ch MOSFET と比べて安全からは遠い。さらに n-ch と比べて p-ch は弱いのに高価な点も気になる。
p-ch MOSFET のほうが安全と聞いたのでまず先に試したのだけど、電源の可変電圧がある値から下がらなくて焦った。回路を間違って電流を電源に流し込んでしまっていた。
まぁうだうだ考えて、ひよこ君は電源は流し込み型、負荷は引っ張り型のほうが良いと現時点ではそう思った。”安全” の基準が違えばまた違った意味になるよなぁという。

 考えるのはいくらでも難しく考えられる。それで作るほうはどうなの? というとプッシュスイッチ付きのロータリーエンコーダがようやく届いたのでいよいよ UI のプログラムをしています(ので)。これまた安全論ですが出力スイッチはフィジカルなスイッチが良いと思っています。ですがほかの重要度の低い1機能1スイッチな部分は全部 UI に取り込んでしまおうと考えています。タクトボタン1つつけるのも工作が大変になるので楽できるところは積極的に楽しなければ。
あと、表示器は 1.3” の OLED に変更しました。視認性は抜群であり、ドットサイズも 12848 液晶と比べ大きく、さらにバックライト機構などごっそり削除できて部品点数が減らせます(1xTR、1xButton、5xGPIO)。プログラムもその分だけスッキリします。フレームバッファをマイコンの SRAM に持たせるライブラリを使っていたので、75% 以上使われる事もあって冷や冷やしていました。あくまでも ATmega328P を使うので、多少のちらつきや遅延は許容する事に決めました。

最近、考える事がうまく流せずに頭が破裂しそうになっている。工作は体調良いときにドカッとやりたいので機会をうかがっている。できない事はやらず、そうでない事をなんとかやっていこう。語尾が一致しない…

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